マウスピース(アライナー)型矯正装置についての記事がネットに出ておりました。
当院でもマウスピースマウスピース(アライナー)を使用して治療を行なっていますので
きちんとした解釈をしないといけないと判断します。
記事の問題点は次のとおりです。
・マウスピース型矯正装置が危ないようなセンセーショナルな表題になっている。
・専門家が疑義とあるがマウスピース矯正で多くの経験を持つ矯正歯科医の意見を取り入れた記事なのかがわからない。
・矯正専門ではない歯科医がマウスピース矯正治療を行う危うさがすべてのマウスピース矯正が危ないと混同してしまうような記事となっている。
私が初めてマウスピース矯正を目にしたのは 2000年にAAO(アメリカ矯正歯科学会学術大会)でシカゴに発表しに行った時です。
日系アメリカ人の著名な矯正医Dr.SugiyamaにノートPCで動画を見せていただきました。
先生はすでに抜歯(歯を抜いて治療する)症例をマウスピース矯正で治していました。
ただ、そのとき「まだまだでしょう(治療には使えない)」と内心感じていたことは確かです。
時はながれ2015年頃だったと思います。
大学の医局や開業医の先生方から
「マウスピース矯正が半端なく進歩している」
という話しをよく耳にするようになりました。
そこで私も講習会に参加し、マウスピース矯正を勉強しなおして簡単な症例から治療に応用してみることにしました。
すぐに感じたことは
◎材質が変わり、非常に薄く柔らかくなった。
◎アタッチメント(歯の表面につける凹凸)の形状が進化した
◎歯を思い通りに動かせる
でした。
コンピュータ、ソフトウェアや3Dプリンタの飛躍的な進歩の恩恵を受け、
さらに約20年の臨床経験と症例数、材料の改良が治療法を進歩させたのです。
現在のマウスピース型矯正装置は以前とは別物であるかのように歯が移動できるようになりました。
しかし、良いことばかりではなく、
◎動かしにくい(治しにくい)歯がある
◎最終的に噛み合わせを安定させるのに苦労する
◎患者様が指示どおりに使わなければ治らない
すべてがバラ色ではありません。
必ず症例を選び、適応を考え、治療計画を綿密に立てる必要があります。
患者さんは担当の先生によく相談の上で治療を決定するべきです。
当院のマウスピース型矯正装置には治療結果問題があると判断した時は
従来型のワイヤー矯正装置に追加基本料金なしで移行することができます。
安心してマウスピース型矯正装置にトライしてみてください。